固定値の魔法防御貫通はどれほど有効なのか?
ソーサラーブーツと悲愴な仮面、そしてライアンドリーの仮面にある固定値魔法防御貫通効果。
具体的にはどれぐらい有効なのか、そしてどんな時に有効なのかを検証していこうと思います。
追記 2016/11/7 16:02
内容に大きな間違いがあったようです。

Contents
ダメージの計算式
まずはダメージの減算がどのように行われているかということから確認していきましょう。
ダメージの計算式は
(実際に受けるダメージ)=(スキルダメージ) × { 1 - ( MR / MR + 100 ) }
となっています。(※MR=魔法防御)
スキルダメージを300、MRを100とすると
(実際に受けるダメージ)=300×{ 1 - ( 100 / 200 ) }
=300×( 1 / 2 )
=150
という風に計算されます。
区切りの良い数値で考えるとMR30で23.1%軽減、MR50で33.3%軽減、MR100で50%軽減、MR200で66.6%軽減といった形ですね。
この4つの数字を見て気付く方もいらっしゃるかもしれませんが、低MR時ほどMR1あたりの軽減率が大きく、MRの数値が上がるほど数値当たりの価値が低くなるのがわかると思います。
具体的にはMR0⇒1の時、軽減率が約0.99%上昇、MR200⇒MR201の時、軽減率が0.11%上昇するといった具合ですね。大きな差です。
ソーサラーシューズについて
はじめに
ゲーム中、最初に魔法防御貫通アイテムとして購入できるものといえばソーサラーシューズでしょう。固定値で魔法防御を15貫通することが出来るアイテムです。(価格1100ゴールド)
ブーツの値段を差し引くと800ゴールド。だいたいですがブラスティングワンド(850ゴールド/魔力+40)と同じような値段です。
以下しばらく計算式となります。計算に興味の無い方は目次より下に飛んでください。
計算の前提準備
ここで計算するに当たっていくつか前提条件を決めていきます。
スキル使用者と対象チャンピオン共に、ミッドレーナーでよく用いられる汎用的なルーン(紋に魔法防御を積むパターン)を用います。
印:魔法防御貫通×9
章:体力(フラット)×9
紋:魔法防御(フラット)*9
神髄:魔力(フラット)×3
合計:魔法防御貫通+7.8 体力+72 魔力+15 魔法防御+12
※計算を簡略化するために魔法防御貫通については7.8を8として扱う。
※章のルーンについて:今回の計算で用いられる数値は魔法防御貫通、魔力、魔法防御の3つ。よって、章のルーンが体力であろうと物理防御であろうと変わりはない。
チャンピオンはシンドラを採用、レベルを7、スキルビルドはQWQEQRQに設定します。
Q:185+AP×0.75
W:80+AP×0.8
E:70+AP×0.5
R:(90+AP×0.2)×スフィアの数
※AP=魔力のこと
※R(ウルト)使用時のスフィアの数は最大数の5で計算。よって450+AP×1.0
※対象のチャンピオンはレベルによるMRの上昇の無いキャラクターを想定
※対象のチャンピオンの装備に関してはネガトロンクロークを積む場合と否とでそれぞれ計算。
※シンドラの装備は初手ドランズリング(AP+15)⇒ソーサラーシューズ(魔法防御貫通+15) OR ブラスティングワンド+ブーツ(魔力+40)でそれぞれ計算。
また、マスタリーについては雷帝の号令や死神の残り火の計算が大変なので今回は除外させて頂きます。
計算
スキル使用者:シンドラ
対象のMR値:42の場合(対象にネガトロンクローク無し)
・ソーサラーシューズ購入時
魔力:30
魔法防御貫通:23
対象MR値:42
※ダメージ減少率:{1-(19/119)} ≒ 0.84
ダメージ値
Q:( 185 + 0.75 × 30 ) × 0.84 = 174.3
W:( 80 + 0.8 × 30 ) × 0.84 = 87.4
E:( 70 + 0.5 × 30 ) × 0.84 = 71.4
R:{ ( 90 + 0.2 × 30 ) × 5 } × 0.84 = 403.2
・ブラスティングワンド+ブーツ購入時
魔力:70
魔法防御貫通:8
対象MR値:42
※ダメージ減少率:{ 1 - ( 34 / 134 ) } ≒ 0.75
ダメージ値
Q:( 185 + 0.75 × 70 ) × 0.75 = 178.1
W:( 80 + 0.8×70 ) × 0.75 = 116.0
E:( 70 + 0.5 × 70 ) × 0.75 = 78.8
R:{ ( 90 + 0.2 × 70 ) × 5 } × 0.75 = 390
対象のMR値:82の場合(対象にネガトロンクローク有り)
・ソーサラーシューズ購入時
魔力:30
魔法防御貫通:23
対象MR値:82
※ダメージ減少率:{ 1 - ( 69 / 169 ) } ≒ 0.59
Q:( 185 + 0.75 × 30 ) × 0.59 = 122.4
W:( 80 + 0.8 × 30 ) × 0.59 = 61.4
E:( 70 + 0.5 × 30 ) × 0.59 = 50.2
R:{ ( 90 + 0.2 × 30 ) × 5 } × 0.59 = 283.2
・ブラスティングワンド+ブーツ購入時
魔力:70
魔法防御貫通:8
対象MR値:82
※ダメージ減少率:{ 1 - ( 74 / 174 ) } ≒ 0.57
Q:( 185 + 0.75 × 70 ) × 0.57 = 135.4
W:( 80 + 0.8×70 ) × 0.57 = 77.5
E:( 70 + 0.5 × 70 ) × 0.57 = 59.9
R:{ ( 90 + 0.2 × 70 ) × 5 } × 0.57 = 296.4
気になる点
4パターンについて計算してきましたが、対象のMRが42の時且つウルトの時だけソーサラーシューズが優秀という結果が出ました。
低MR時に固定値の魔法防御貫通が有効なのは前述のダメージの計算式より明らかですが、何故ウルトの時だけダメージが上回る結果となったのでしょうか。
今回用いたウルトの基礎ダメージは90×5=450。魔力係数は0.2×5=1.0です。
他のスキル、例えばQ(スキルレベル4)に関しては基礎ダメージ185、魔力係数が0.75と基礎ダメージに対して魔力係数の数値が大きいです。
また、基礎ダメージが80なのに対して魔力係数が0.8と大きいW(スキルレベル1)に関しては更にダメージ差が大きくなっていることを考慮すると基礎ダメージが大きければ大きいほど、魔力係数が小さければ小さいほど魔法防御貫通の恩恵を受けられると考えられます。
試しに基礎ダメージ250、魔力係数0.5のE(スキルレベル5)について対象のMR42の場合で考えてみると、
ソーサラーシューズ
E:( 250 + 0.5 × 30 ) × 0.84 = 222.6
ブラスティングワンド+ブーツ
E:( 250 + 0.5 × 70 ) × 0.75 = 213.8
という風にソーサラーシューズのほうが大きなダメージが出るようになります。
まとめ
・「対象の魔法防御が低ければ低いほど」固定値の魔法防御貫通は有効。
・「スキルの魔力係数に対して基礎ダメージが大きければ大きいほど」固定値の魔法防御貫通の恩恵を受けることができる。
あとがき
つ、疲れた…。
今回初めて細かく計算してみたのですが、高校レベルの数字の取り扱いすら忘れてますね。有効数字どこで取ればいいんだ…。
ということで結構ざっくりと、「だいたいこういう傾向がある」というのがわかる程度のデータぐらいの気持ちで見て頂ければ幸いです。もっと細かい計算は他の方におまかせいたします…。
こうみると、ガリオのQ(スキルレベル5)とかかなりソーサラーシューズの恩恵を得られそうですよね。基礎ダメージ300に対して魔力係数0.6ですし。
あと、移動速度がほしい場合を除いてソーサラーシューズに早々アップグレードする意味はあまりなさそうです。スキルの基礎ダメージが大きくなるレベル9あたりの購入でも全然間に合いそう。
そして、相手が魔法防御を積むようならソーサラーシューズはあまり役に立たなそうです。その場合は魔力を上げたほうがダメージが出そうですね。
固定値の物理防御貫通についてはシーズン7で取り扱いがやや変わりそうなので別の機会に。どうやらレベルによって数値が変わるみたいです。
おしまい!